肺静脈以外の心房筋からの異常電気信号を有する患者様のアブレーションは?
肺静脈隔離アブレーション後に、肺静脈以外の心房筋からの異常電気信号が出る場合、その部位は患者様によって異なるため、図11のように基本的には、異常電気信号を探してピンポイントでアブレーションをすることになるのです。
それでも、肺静脈のように囲うようなアブレーションができる場所が2箇所あり ます。それは、図12に示すように上大静脈と左心房の後壁(後ろの壁の心筋)です。上大静脈は、右の心房(右心房)の上部にある血管(腕や頭からの血液を右心 房に戻すための血管)で、肺静脈のように心房筋が迷入しています。ここからの異 常電気信号の発生が確認されれば、開口部を囲む様に焼灼できます。また、左心房 の後壁に関しては、肺静脈が開口している間の筋肉になるため、左と右の肺静脈周 囲を囲った焼灼部位の上部および下部をつなぐように焼灼すれば、囲うことができます。それ以外の部位からの異常電気信号に関しては、ピンポイントでアブレーションを行うしかありません。これらの、肺静脈以外の異常電気信号をどこまで焼 灼できるかによって成績が変わってくるのです。そのため、心房細動アブレーションの病院間での成績の違いは、このことによって説明できます。


- 第1章心臓の構造と働き
- 第2章どのように心臓から血液を送り出しているのか?
- 第3章心房細動は、どのようにして発生するのか?
- 第4章心房細動が発生するとどのような症状が出るのか?
- 第5章カテーテルアブレーション(カテーテル心筋焼灼術)とはどのように行うのか?
- 第6章心房細動に対するカテーテルアブレーションの変遷
- 第7章拡大肺静脈隔離アブレーションだけで心房細動は治るのか?
- 第8章肺静脈以外の心房筋からの異常電気信号を有する患者様のアブレーションは?
- 第9章心房細動アブレーション後に再発する患者様がいる理由と再アブレーション法
- 第10章持続性あるいは慢性心房細動に対するアブレーションの困難性
- 第11章心房細動アブレーションは、一生、心房細動の発生を抑えることができるのか?